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院長室から

「産後うつ病」について感じたこと 2010年07月30日(金) | 院長室から

「産後うつ病のために自殺」などというニュースを耳にすると、出産をお手伝いする者として心が痛みます。先日のニュースでは、亡くなられた方が某TV局のアナウンサーであったことで、センセーショナルな話題として取り上げられていました。高い倍率の難関をクリアして花形の職業であるTV局アナウンサーになった方。しかも元々明るい性格で、有能で何事もてきぱきとこなせる人だったのになぜ?・・・というような内容でした。

一般的な話として、インテリジェンスが高く、第一線で活躍されているような職業婦人の場合、妊娠・出産にもまじめに取り組もうとされる方が多いと思います。理想の出産に向けてしっかり勉強もし、妊娠中の自己管理もきちんとする・・・。しかし出産の経過は十人十色。必ずしも頭で思い描いていたとおりにはいかないこともあります。前もって勉強した知識やイメージに囚われすぎてしまうと、現実とのギャップが大きく感じられて落ち込んでしまう場合があります。

ましてや初めての子育てともなりますと、ふだんこなしている仕事とはあまりにもベクトルのちがうもので、ストレスも発生しがちです。妊娠中の自己管理は自分の意志の力でできても、子育てはあくまで赤ちゃんが主体。いくら自分の生んだかわいい子でも、その子が何をしたいのか、どう扱ってほしいのか、わからなくて途方に暮れてしまうこともあるでしょう。

そんな時に、周囲に助けやアドバイスを求められる環境が確保できていることが大切です。ふだんの仕事に自信を持っている人ほど、「子育てもできて当然」と本人も周囲も思いがちです。人に頼らずあくまでも自分で・・・と頑張りすぎてしまうと、破綻が来てしまうことがあります。ご本人の親子関係や人との付き合い方も千差万別で、なかなか人に頼りにくい環境の方もおられると思いますが、時には(プライドを捨てて?)SOSを出すことが大切です。周囲の方も、産後すぐで体調も気分も万全ではない方が、誰にも相談できずにつらい気持ちを一人で抱え込んでしまっていないか、気遣ってあげて下さい。

もちろん当院でも、出産後の方への支援を惜しみません。助産師外来は、産後いろいろな悩みを抱えておられる方が、なんでも相談していただける場でもあります。どうぞ、ひとりで抱え込まず、ベテランの助産師達に相談しに来て下さい。

 

 

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